前回紹介したハインリッヒディンケラッカーの記事に続いて、今回は筆者の2年目のRioのエイジングの状態と お手入れ方法を簡単に記事にしました。
コードバンのお手入れ方法について知りたい方も是非御覧ください。
目次
ハインリッヒディンケラッカーのお手入れ方法
こちらの写真がお手入れ前の写真です。夏は全然履いていなくてホコリもついているし輝きも失ってしまっている状態ですね。これがこれからどれほどに復活するのか見ものです。
用意するものは
- シューツリー
- 馬毛ブラシ
- 豚毛ブラシ
- 山羊毛ブラシ
- ステインリムーバー
- レザースティック
- シュークリーム
- クロス(ネル生地)
こんな感じで行きたいと思います。このへんは革靴ラヴァーの人によっていろんな工程がありますが、筆者はいつもこれくらいでやっています。
それでは順を追って説明しましょう。
①馬毛ブラシでホコリを落とす
馬毛ブラシで靴についているホコリなどを落としてしまいましょう。このタイミングでシューレースはとってシューツリーをセットしておきます。
②ステインリムーバーで汚れを落とす
お次はステインリムーバーで汚れを落としていきます。
靴にこびりついてしまった汚れや、前回の靴磨きで使ったワックスなどを含め一度すべてリセットしてしまいましょう。
靴磨きで使用するワックスというのは、上からホコリをかぶったり雨に打たれたりすることで どうしても日に日に劣化してしまいます。この状態でさらに上からメンテナンスをしてしまうと層になってしまい靴によろしくない。クリームも革に浸透しなくなってしまいますので、一度こちらでリセットすることが大事なのです。
お化粧も毎日クレンジングで落としていますよね。革も動物の皮膚なので我々と同じで考えてもらうとイメージしやすいかもしれません。
これはクロスに数滴垂らして表面を拭いていきます。ワックスも落ちるので全体的にマットな感じになりました。
③デリケートクリームで革に潤いを与える
デリケートクリームには革の保湿効果があります。しばらくメンテナンスをしていないときはこちらで潤いを与えてあげると良いと思います。ちなみに筆者は指で塗っちゃってます。めんどくさがりなので。
④レザースティックで銀面を整える
コードバンの革は目で見えないレベルで起毛しています。通常その毛をビタっと寝かせることによって、コードバンならではの光沢感が表現されるのですが
雨に濡れてしまうことによって毛がまた起き上がって光沢感も失われてしまうのです。だからコードバンは雨に弱いなんて言われているわけですね。
この状態から復活させるためにレザースティックが活躍します。
レザースティックで革の表面をとにかくこすっていきます。起き上がった毛を再度寝かせることを意識して比較的強めにこすってあげましょう。筆者はこの工程をデリケートクリームを塗る段階で同時にやってしまいます。なんならデリケートクリームを先端につけてこすったりもします。
いい感じに起きていた毛をスヤァさせることに成功しました。表面が引き締まったような自然な光沢がでています。ここからシュークリームを塗ることでさらに光沢がでますよ。
⑤シュークリームで栄養補給
ここからはシュークリームで革に栄養を与えていきます。そこで使用するのはサフィールノワールのクレム1925というクリーム。
このブログでも何度か紹介していますが革の補色と栄養補給を同時にしながらツヤも出してくれるスグレモノです。
これも指で塗ったくっていきます。
そして塗ったくったらあとは豚毛ブラシでとにかくブラッシングしていきましょう。
クリームを馴染ませるようイメージしてブラッシングしてください。
すると上の画像のように光沢が!
よく コードバンはデリケートなので、手入れには毛の硬い豚毛ブラシではなく馬毛ブラシを使うほうが良いということを言う人がいますが、本当にそうでしょうか。
コードバンは馬の尻の革です。実はとっても丈夫なんですよ。なのでクリームを塗り込む際も豚毛ブラシで塗り込んでしまって大丈夫です。自分はそうしています。
⑥仕上げにクロスで拭く/山羊毛ブラシで艶出し
あとは仕上げです。クロス(できればネル生地が好ましい)で磨いていきます。これはブラッシング後の余分なクリームを拭き取ることにもなりますので必ずしましょう。この工程でもツヤがでます。
そして、山羊毛ブラシで磨いてフィニッシュ。
山羊毛ブラシは馬や豚と違ってとっても毛が細くて柔らかいので、光沢を出すための仕上げに使います。これをやるとやらないとでは1段階光沢度合いが変わる気がします。
一通りの手順が終了しました。ここから更に鏡面仕上げをする人もいるかと思いますが、筆者は鏡面仕上げは今の所していません。自然な光沢が好きなのと、以前挑戦したときにめちゃくちゃ失敗したのがトラウマで・・・。
でも、勉強していかないと身につかないですよね。今度またトライしてみよう とりあえずカーフで。
2年エイジングした様子
さてメンテナンスが終了したので、どれくらい育ったのかを見てみましょうか。
ハインリッヒディンケラッカーの特徴の一つとして「トリプルソール」があるのですが
文字通りソールに3枚の革を重ねているのでとにかく分厚くてかっこいいソールとなっています。
ですが当然、ソールが分厚いとその分歩行の際に屈曲がしづらい。
新品から履き始めたときは足が思うように動かず苦労しました。笑
本人はちゃんと歩いているつもりなのに、つま先を地面に擦ってしまうこともあって
履き始め3ヶ月くらいでつま先のスチールが削れまくって交換をしたほどです。
2年間毎日履いていたわけではないのですが、このくらいになってようやく履きジワが入って歩きやすくなったように感じますね。
履き込むことでこの履きジワが太く深くしっかり入るのもコードバンならではの楽しみだと思いますが、ディンケラッカーはタフ過ぎて2年やそっとじゃまだまだといったところ。
新品と見比べるとこんな感じ。
着実に垢抜けてきています。このままガシガシ履き込んで最高の一足に育てていきたいですね!
ディンケラッカーの靴を購入しようか迷っている方、過去の記事で大幅に安く購入する方法について解説しています。
実際に筆者はこの方法で3万円以上お得に購入できました。よかったらそちらもチェックしてみてくださいね。↓